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評論 朝永振一郎、「光子の裁判」:難しいことを簡単に語ることの難しさと小説について

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 朝永信一郎と言えば、湯川秀樹とならんで日本を代表する物理学者でエラい人なわけである。エラい業績は、私は結局理解をあきらめた繰り込み理論なるものであり、ノーベル賞を受賞している。そんな朝永先生が一般解説書をはるか昔に書いており、「量子力学的世界像」という著作にまとめられている。

 中でも「光子の裁判」は秀逸であり、登場人物は「光子」、ミツコとよむのかコウシとよむのか朝永先生はわざとあいまいにしている。光子は事件の容疑者となり裁判を受けるわけだが、二つあるうち、どっちの窓を通り抜けたか、という点が論点になる。ここで二重スリット実験が登場するわけだ。

 「光子」が普通の人間であれば、二つの窓のうち一つしか通れず、目的地にはどちらかの窓を通っていくことになる。しかし、「光子」は波の性質を持っており、どちらの窓も同時に通過することができるわけである。秀逸なる文章で、干渉縞を説明するあたりはあっぱれとしかいいようがなく、まさに天才のなせる業である。

 こういったものは天才物理学者だからできる、というわけではなくてほかの先生に似たような著作はない。まさに朝永先生ならではの力作なのであるが、残念だが絶版であるし、私もどこかの書庫に入れて原著がみつからない。

 未だ、この二重スリット実験の解釈については果てなく議論されており、wikipediaによると「弱測定」なるものまであるようで、もう私には理解できない。

 こういうところに切り込むには、力不足であるのは認めざるを得ず、だからといって簡単にあきらめるのも悔しいところではある。自分の阿呆さ加減を認めつつも、だ。

 この手の本をいくら読んでも、自分の至らなさに感じ入るばかりで、むしろ息抜きには久しぶりにラブコメものでもかいてみたらどうであろうか、などと思うわけである。
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