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小説 (創作、二次含む)

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STAGE I
この間、安吾とはじめてヤキトリを食った。私は思う、ヤキトリよりは鶏鍋だろう、と。だが、ヤキトリにも捨てがたいものがある。またぞろ、鶏を買ってきて締めた。どうしたものか、と私は思案した。

STAGE II
結局、安吾を呼んだ、そして安吾に、またヤキトリを作ってくれと懇願した。私は感じた、安吾は得意気だ、面倒だから安吾に任せただけなんだよ。安吾はまたもやカストリ、こいつ、懲りない、だが串を打つ手はたいしたものだ。おまけに焼きも上手なのだ。例によって七輪で焼く。安吾はいう、「どうだい、君はコブクロが好きじゃないみたいだから、レバアからでもどうだ」、ああ、レバアか、好きだ。

STAGE III
カストリばかりのむ安吾、私は安ウイスキイを好む、だからそうした。レバアにはウイスキイだ、イエスだってこの味には恐れ入るはずだ、と思う。肉をくらって、酒を飲むうち、前後不覚になってきた。

STAGE IV
気が付いたら、中也がいる、だいきらいな男、もうこいつと飲むのはいやなんだ。ヒロポンで根絶させてやりたいくらいだ、そう思う。だが、中也、今日はおとなしい。酒も飲まずに、鶏を一心不乱で食っている。ぞんがい、かわいいやつかもしれぬ、とおもった。

STAGE V
ついに中也、カストリ飲みだす。ああ、もうおしまいだ。檀君を呼んでおけばよかった、というのはあとの祭りだ。例によって大暴れしやがって、また、殴られた。「お前の好きな花は桃か、じゃあ、ほかになにがあるんだよ」「さ・く・ら・ん・ぼ」、「だからてめえはだめなんだ」。それからまた意識がない。いい加減にしてくれ、中也、お前の相手は檀君だろうに。

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かねてより、ハンナは実戦に出撃したかった。ドイツの誇るジェット戦闘機、Me262でだ。

止める上級士官に罵声を浴びせながら、ハンナはMe262に搭乗した。何より、連合軍の爆撃がひどい。これは何とかせねばならぬ。

Me262は、初期のジェット機なので、非常に加速性能が悪い。いらいらしながら、噴射スロットルをフルにして離陸した。このジェットは、とにかく初速を得るまでが勝負だ。ハンナ特別仕様機には開発途上のアフターバーナーと増槽までついている。それでも初期加速はどうしようもない。米軍のBなんとやらとかいう、ばかでかい爆撃機を上空から高速で一気に撃ち抜かねばならない。そうしないと、しつこい護衛戦闘機P51に追い回される。

ハンナはスロットルをフルにしたまま、直線的に加速する。レーダー基地で見た会敵場所に向かって高度を上げていく。ついに、速度は900km/hに達した。遠くにB17が見える。ハンナは高度を保ったまま、爆撃機に向かっていく。うっとうしいP51も見える。

ついにB17の上空に到達した。「こいつら!」ハンナは毒づいた。急下降しながらB17を機関砲で撃ち抜く。降下中に三機に致命的ダメージを与えた。そのまま急降下して速度を維持し、ゆるやかに旋回して上昇する。速度計が上がるのを待っているとP51が追ってくるのが見える。こいつらは最悪な戦闘機だ。失速したら終わりなのだ。だが、ハンナはそんなおろかに速度を落とすようなことはしない。P51は無視だ。P51は無駄玉を投げつけてくる。

再度、速度は800km/hを超えた。高度十分、ハンナは再びB17編隊に急降下し、さらに三機を行動不能にした。しつこいP51も巻き添えにしてやった。

もう燃料がない。ちきしょう、こいつはなんて燃費がわるいんだ。ハンナは覚悟を決めた。速度は700km台にまで落ちている。下からB17をさらに撃ち抜く。計8機を行動不能にした。巻き添えのP51はかわいそうだが、撃墜だろうな、とおもった。

ハンナは飛行場に向かって降下していった。もう十分に彼女のアドレナリンはおさまっていた。




欧州大戦の中、ハンナ・ライチュという女性飛行士がドイツで活躍しました。

彼女は肝っ玉が据わっていて、世界初ジェット戦闘機Me262のテスト飛行に成功したほか、ロケット戦闘機Me163コメートで、首相官邸前のわずかな道路に着地するという離れ業を成し遂げています。

また、ドイツの秘密兵器、ヘリコプター飛行にも成功し、男性パイロットがおっかなびっくりでちっとも飛べないので代役として、その場で飛行させたという凄いひとです。

ハンナ・ライチュは女性で、またテスト飛行に重宝されたので、前線に出ることは例の首相官邸前着陸以外、していませんが、このパイロットが正式戦闘隊にもしいたら、鉄十字勲章ものだったかもしれません。

まあ、女性だからといって、決して劣るわけはない、ということを身をもって示した巨人です。

※調べなおしました。鉄十字勲章は貰っていたようです。
※もう一つ、まちがいです。ぼくのお友達からの情報で、コメートでベルリンに行った、というのはフィクションです。首相官邸前着陸自体は事実です。機体はわかりません。




STAGE I
熱海に太宰を迎えにいったが、太宰の奴は一向に懲りず、天ぷらなぞ食っている。こいつは何かんがえてるのか。いけすから取った海老天はうまかったが。

STAGE II
とうとう、滞在費が100円を超えた。太宰は、朝起き頭に私を蹴飛ばして「檀君、まずいぞ、もう100円もつかってしまった」それはお前のせいだろう。太宰はしきりと東京で金策をしてくると、逃げをうっている。負けてたまるか、俺が金策を打つ。

STAGE III
とうとう、ずるい太宰を説き伏せて、汽車にのった。気楽なものだ。待たせる身より、待つ身がつらいに決まってる。

STAGE IV
とりあえず、東京で井伏さんに相談してみたが、井伏さんとて、大金をすぐには出せない。太宰は放っておこう。

STAGE V
太宰は苦悶したようだ。挙句の葉て、芸者を呼んで自分のものとした。いつもの流儀ながら、また心中だ。太宰は生き残って、しゃあしゃあと井伏さんのところにやってきた。私は井伏さんと将棋の真剣勝負をしているところであった。そこへ太宰が乗り込んできた。「檀君、君はわるくない、だが待たせる身はどうだ、待つ身がつらいにきまってるだろう」太宰はそういって、女々しく帰宅していった。

FINAL STAGE
太宰は意外な小説を書いた。走るなメロス。自分がなにより大事だということを訴える名作であった。


太宰は鶏をさばくのが得意のようでした。

STAGE I
鶏を買ってきた。近頃、農家も闇市として堂々たるものだ。この小うるさい肉の塊を売っているのだ。
まあ、構わず絞める。あとは魚をさばくのと同じだ。

STAGE II
このしょうもないときに、安吾君がやってきた。「安吾君、鶏は好きか?」「嫌いな者などおるのか」「わかった、鶏鍋にしよう」
私は思う、鶏鍋は「おいしいもの」だ、それも自分でやっつけた鶏だ。なのに安吾は言う、「君はヤキトリなんてもの知らないんだろう」「その言い方、しゃくにさわるね」少し微笑みながら相手への心遣いをした。「ヤキトリにしよう、で、丸焼きにすればいいのか?」「おまえというやつは、ものを知らんな。小さく切って串にさして焼くんだ」「そんな、ちっちゃなにくきれ食ってうまいのかどうかわからぬが。。。やってみよう」

STAGE III
私は細かな包丁つかいがうまくない、鶏鍋ならブツに切る、なので安吾が器用に切り分けた。「太宰、分かるか、こんなように部位ごとに分けるのだ、そして串にさす、そこがいいのだ」まあ、安吾にまかす。

STAGE IV
庭先に七輪を置いた。安吾は器用に焼いていく。「ほら、焼けた、ここはコブクロという。うまいぞ」、なんだそれ、子宮じゃないか、めんどりならひとつはついてるはずだ。雄鶏なら、別なものがついてるはずだが、こいつはごめんだ。
安吾は言った、「どうだ、うまいだろう」、硬いだけで味がどうも、と思ったが「うまいなあ」と私は答えた。しまいに安吾はカストリを出してきた。「ヤキトリにはカストリときまってる、お前も飲め」果たして、ヤキトリとカストリは語感は似ているが、どのようなものだろうか、と私はおもった。

STAGE V
カストリが回ってきて、安吾は次第に饒舌になってきた、こいつはやばい、ヤツを呼び出されたらたまらぬ。私の天敵たる中也。果たして、中也がやってきた。もう、そのあとのことは覚えてない、殴り合ったか、殴られたか、記憶を失ってる。気が正気になってみたら、何故か檀氏がいたので間違いない。


STAGE I
「総統、エルベ川で連合軍が合流したようです」
「気にするな。我々にはSSもいるし、第九軍もあるのだ」
「第九軍は壊滅状態です、体を壊してる人まで戦っているのです、どうぞご決断下さい。」
「Me163コメート戦闘機でハンナ・ライチュがこちらに向かっている。秘密兵器を持っているのだ」

STAGE II
コメートのハンナ・ライチュはカップ焼きそばを置いていった。
ヒトラーはわが闘争を読みながら、カップ焼きそばをすする。
「きみ、これに入っている”かやく”なるものがなにか知っているか」
「知りません。」
「超小型原爆さ。私は地下壕もろとも連合軍を撃破する」
そういってヒトラーは焼きそばをすすった。そして最後にかやくを飲み込んだ。

STAGE III
ヒトラーは最後の一滴まで焼きそばを飲み干した。
「総員、退去」と一言言った。

STAGE IV
ウランには臨界量があり、ある質量以上でなければ爆発しない。そんなことはヒトラーも知っている。
だが、ヒトラーが食したのはプルトニウムであった。プルトニウムは毒性が強い。愛人エヴァブラウンにも与えた。

STAGE V
翌日、ヒトラーは死んだ。
遺書にはカールデーニッツを総統として指名するよう書いてあった。
カールデーニッツはつぶやいた。
「こんな、高価なもの作らせて。青酸カリでいいじゃないか。」

STAGE IV
しかし、ヒトラーにはたくらみがあった。
ヒトラーは多量のカップ焼きそばを残していった。
ヒトラーの死体に触れたり、カップ焼きそばを食ったソ連軍士官が次々と変死した。
というわけでヒトラーの死体はみごとに隠蔽された。

言わずとしれたコミックです。かわぐちかいじさん。

VOYAGE I
「館長、アルファ級です。深度1000!」
「あわてるな。あの原潜は重大な欠陥を抱えている。それ以上潜れはしない。それよりも、給湯器からお湯を持ってきてくれ。カップ焼きそばが食いたい」

VOYAGE II
「マイクを用意しろ。カップ焼きそばはできたか?」
「準備できました」
「マイクを私の口に近づけろ。」
「なぜでしょう」
「そのうちに分かる」

VOYAGE III
艦長はすこしずつ、麺を食べ始めた。そして次第に威勢よく爆音をたててすすりこんだ。

VOYAGE IV
アルファ級
「敵艦からなにやら音がします、信じられませんが、この深度で新開発の魚雷を打つつもりかもしれません」
「近づいているか?」「音響が大きくなってきました、だめです、衝突します。」
「まずい、この艦の原子炉がやばいことは君も知っているだろう」
「はい。乗員たったの30余名、高度に自動化された溶融金属原子炉です」
「溶融金属にナトリウム使わなかっただけましだな。だが、緊急事態だ。
衝突と魚雷をさけるしかあるまい。この艦、ひとつで世界がひっくり返る」
「転舵、浮上!」

VOYAGE IV
やまと
「やっと引き下がったか。副長、お湯をもう一杯。スープで乾杯だ」



漱石は好きなのです。作風が広いので、しぼりました。

STAGE I
奥さんは、相変わらず縫物をしながら食事の支度をしている。娘さんは手伝っているようだ。娘さんのはっとした白い顔の下にはカップ焼きそばがあった。お腹が空いたのだが、恥ずかしいのだろう。Kは見て見ぬふりをしている。愚かなKをあざむいて、娘さんに、「美味しそうですね」と声をかけた。娘さんは「ええ」と一言言って顔を赤らめた。

STAGE II
一体全体、女性というものは何を考えているのだろう。カップ焼きそばを「お試しになりますか」と箸をくれる。一口だけ食い、まあまあだと答えた。それはとてもおいしかった。だが、言葉が出なかった。Kはじろりとこちらを見ている。

STAGE III
それからしばらくたった。娘さんのことを私はますます好きになっていた。二人であいびきしてカップ焼きそばを食べる仲にまでなった。「おいしゅうございましょう?」「ええ。あなたのものは特別です」。実際、違いはないかもしれないが、こころにはそう感じた。

STAGE IV
Kが自殺した。奥さんは黙って処理をしている。軍人の妻である。「あなた、お腹がすいたでしょう。娘に焼きそば作らせます」と淡々といった。

STAGE V
先生の手紙
「きみ、恋は罪なんですよ。君にはわからないかもしれないが。」先生はいった。「一鉢のカップ焼きそばがどれほど人生を狂わせるか、君にはわかってやしないのです」
先生の言葉は戦慄を帯びていた。やがて先生から長い手紙が届いた。先生はみずからお命を絶たれた。カップ焼きそば一鉢のせいで。

しゃぶしゃぶ、そのころあったのかは知りませんけれども。

STAGE I
自他ともに認めるところ、私は健啖家、であることになっているらしい、うまいものは食わねばならぬ。腹も減ったので安吾と広小路の牛(ぎゅう)でも食いに行こうということになった。中也は誘わなかった。

STAGE II
だが、あの牛がどうしても見つからぬ。牛といえば、田舎者の大事にするものだ。かわりにしゃぶしゃぶなる店があった。私は思う、牛は牛だ、牛にちがいはあるまい。店に入ったが、食い方がわからぬ。東京者はよく自慢をするが、自分は田舎者であることに違いはない。だが、私はおもう、こんな食い方があっていいものかと。

STAGE III
牛なるもの、おいしいところは油と決まっている。わざわざとまた、それを湯で落として食うのだ。しかもお醤油味ときた。ここは味噌だろう、と私は思った。料理人たるもの、客には「おいしいところ」だけを出してこころづかいをするものだ。だが、違う。ここは自分で、わざわざ油を落としてくうのだ。

STAGE IV
ああ、いやだ、客任せのしかもおいしいところを除いて食うなんぞ、聖書の奴隷にさえ出てこない。ところがだ、こいつがウイスキーに合う。油がないからだろうか。さんざんに食って散財した。

STAGE V
もう脂たくさんの牛などいらぬ。あのような脂には、なにか人を麻痺させるものがはいっているに違いない。それ以来、私はわざわざ油を落として牛をくう。

熱海事件とても有名ですよね。可哀想な檀一雄さん。でも逆切れしてしまう太宰さんもいいです。

STAGE I
いい加減、熱海の滞在費も100円を超えている。太宰は、「檀君、東京までひとっ走り金策に行ってくる」、と言って出て行った。もう天ぷらは止めにして、カップ焼きそばでしのごう。

STAGE II
もう太宰が出てから三日だ。カップ焼きそばばかり食っている。いい加減、胃の調子が悪い。私はもう慣れたものだから、カップ焼きそばでいいし、宿からお湯をもらうだけでいいし、待つか。

STAGE III
十日、たつ。さすがに飲み屋のおやじは、太宰を探しに行こうという。仕方ないので、井伏さん宅あたりにいはしまいか、と探りを入れてみた。

STAGE IV
果たして、太宰はいた。

井伏さんと二人でカップ焼きそばを食いながら将棋に興じている。

私はもう怒声を上げるしか手はなかった。「太宰、おまえ何カップやきそばなんか食ってるんだ!いい加減にしろ」。

井伏さんが仲裁に入って、「誰だってこいつのうまさには負けるだろう」と太宰をかばう。太宰は泣きそうだが、言ってやらねばならない。

「カップ焼きそば待つ身がつらいか、待たされる身がつらいか!」太宰はしゃあしゃあと、「カップ焼きそばは三分待たなきゃいかんね、待つ身がつらいかね、待たせる焼きそばがつらいかね」太宰はとちゅうで泣きそうな声で反撃した。

FINAL STAGE
太宰は「走れメロス」というあっぱれな小説を書いた。だが、一言だけいわせてもらう。あれは三日ではなくて三分だ。

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