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丹沢山塊放浪記 その4

ここでは、「丹沢山塊放浪記 その4」 に関する記事を紹介しています。
午後二時ころ、やっと丹沢の表玄関峰、塔ノ岳についた。塔ノ岳の小屋横から水が出るので、菊地がずいぶんと飲んでいた。よほど、疲れたんだろう。顔にくまができている。もう、この時点でみんなは菊地のヤツ、離脱するな、と思っていた。石田はメモに登頂時間と登頂者を記録していた。

午後二時ちょうど、塔ノ岳登頂。
登頂者は以下五名。
・石田、四年生
・菊地、三年生
・中島、三年生
・田口、三年生
・合田、二年生

こんだけしか記録しない男なので、山行報告とか、ろくなものじゃない。写真もたまにしか撮らないし。もっとも写真は合田の役目だが、こいつもどうしようもないので、カメラをレンズカバーしたまま写したりする。

石田はまだ元気ありそう。「さあ、今夜の寝床を探さんといかん、丹沢山まで行くぞ」、行くのかよ、といった表情で残りの四人が顔を見合わせる。たしかに小屋に泊まるカネはないし、今日は晴れて暑い。開けたところで野宿だろうな、と。丹沢までの道のりはさらに小一時間ほどかかって、しかも最後は急な登りだ。登頂もそこそこに下りはじめ、ブナ林の下草がすくないところを探し出した。枯葉がつもってこの中にもぐって、シュラフに入ればあたたかいだろう、と思われる場所をようやく見つけた。

夕食は菓子類とピーナツチョコだけで済ませた。火を決められたところ以外で焚いて、パトロールに見つかったら、とても大変なのだ。塔ノ岳で汲んだ水に粉ジュースを入れて飲み、一息ついたらもう暗い。山はなぜか、日が暮れるのが早いが、登山者もご飯をたべたら六時には寝てしまうので、ちょうどいい。次の日は三時起きになる。菊地は唸りながら寝ていた。田口はウイスキー飲んでる。酔っぱらって寝るまで飲ってるんだろう。

明日は蛭ガ岳、檜洞丸を目指す。丹沢の主尾根を通ることになる。とりあえず道は絶対にあるはずだが、疲れるに決まってる。ああ、来るんじゃなかったと菊地の次に弱い中島も思った。



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