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短編小説 空沼岳 北海道の春 その6

ここでは、「短編小説 空沼岳 北海道の春 その6」 に関する記事を紹介しています。
ルートは真簾沼を巻くように繋がっており、尾根への上昇ルートとなる。暫くは、真簾沼の景色を眺めることができる。上昇もそれほどしなくてすみ、尾根道になる。助かった、と私は思った。尾根は雪が少ない。ラッセルをしなくてすむのだ。快晴でときどき雲が飛んでいく。今日はとても幸運だった。

尾根道は歩きやすく、割とすぐに頂上へのとりつきにかかった。岩場になっているが大したことはない。二人はやがて頂上に立った。札幌周辺の山々がもうパノラマのように広がっている。あれは、羊蹄山、そして市街、とにかくも眺望がよい。しかも頂上だけ突出しているので自然の展望台だ。足下にはシマリスたちがよってきて、餌を要求している。こいつらは油が大好きで、登山者の唐揚げなどを普段から食っている。エゾリスと異なってかなり図々しい。見た目はかわいいのに。三田村がやたらとシマリスと戯れている。シマリス、好きだよなあ。

頂上はちょっとしたツインピークになっており、一番高いところと逆側も少し高くなっている。私は積雪をビニル袋にいれて、冷やしておいたビールを飲み始めた。果たして、三田村が飲みたそうにしている。昨日、食わせてもらったお礼として、コップに入れてあげた。三田村はおいしそうに飲んだ。ビールを飲んだら、果たして小便がしたくなってきた。大変に失礼ながら、低いほうの岩場から、市街に向かって小便をした。誰も見ていない。いい気分だが道徳的には問題ありだろう。

ずいぶんと頂上で景色を堪能した。
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