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小説『田舎者すぎてパパ活にひっかかてしまいました』

ここでは、「小説『田舎者すぎてパパ活にひっかかてしまいました』」 に関する記事を紹介しています。
以下、小説風にしたほうが面白いかと思い書いた。

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『田舎者すぎてパパ活にひっかかってしまいました』

 わたくしは田舎者である。また、文章を書く前にいっておくが、若い女は苦手であり、どちらかというと分別ついたアラサー以降の女性のほうが好みである(んなこた言ったって仕方ないわけだが)。

 田舎者が東京に出ると言ったら上野である。いわゆるお上りさんである。

 しかしながら、わたくしはかつて国分寺にご厄介になっていたこともあり、上野経由であちこちに出張に行くわけで、自分にはお上りさんという意識は全くない。自覚症状なし、という状態は、病気にもよるが、例えばアルコール依存症なら致命的状況である。

そして、その日もわたくしは朝から東京に出張し、珍しく客先説明を首尾良く切り抜け、昼には上野を歩いてたわけだ。

 前から20くらいの女性が近づいてきて、ぷらぷらと歩くわたくしとすれ違いざまに言った。

「ごはん、一緒に行きませんか?」

 逆ナンであろうか。果たしてわたくしはモテるわけではない。誓って言うが「おっさん」であり、見てくれもよろしいほうではない。いぶかるのが通常の神経であろうし、いつもならそうしていたはずである。「はずである」、ここは強調せねばならぬ。わたくしは女性恐怖の気が少しあり、こういうのに慣れてないから危ないわけである。それを、まんまと昼飯を引き受けてしまった。

「ああ、いいけど」

「じゃあ、お小遣い」

 じゃあ、お小遣いってナンだそれは、と思うだろうに。わたくしだってそう思ったわけである。思ったところで承諾してしまった自分が情けない。昼飯代の釣りでもくれるのかと思って、わたくしは一万円札をわたした。煙草を切らしていてキオスクで調達したために小銭がなかったからだ。その女性は無言で万札をポケットにしまい込み、勝手に歩き出した。わたくしはのそのそと後をついていったわけである。この小文にて連発する言葉をまず吐く。情けない。

 勝手にその女がしゃべった。

「ご飯食べたら、上野でも歩こうよ」

「ああ、時間はあるからね」

 そのまま、妙にサラリーマンが通うような定食屋に連れて行かれた。何を頼むのか、と思って向かい席についたら、開口いちばん、

「とんかつ定食ね」

 と言うわけだ。それなりに行きつけらしい。

 それからである、無言で居るのも居心地が悪いから、多少は話をしたのであるが、彼女は上の空でメシをがっついてるわけである。妙に細い癖にずいぶん食うなとわたくしはおもった。

「おかわりね」

 なお、彼女はメシをお代わりしてるわけである。コイツはナンなんだろう。それについてった自分はさらにどうかしてるわけである。何か期待していたかと言えば、全くなかったと白状はできないが、どうにかしようなどとは思っていなかったのは事実である。

 ずいぶんと早食いでわたくしより、メシを早く食った彼女はスマホをいじくりまわしていた。まったく、目の前でスマホをいじくられるというのは気分が悪い。しかしながら、文句も言わずにメシを食っている自分がいるわけである。このありさま、まさに情けない。 

 ようやっとメシを食い終えたわたくしを見て彼女は言った。

「じゃあ、会計お願いね」

 なんだそりゃ。さっきの万札はどうなった。わたくしはもごもごと言ったが、周りの客の目もあるし、大体、若い女にカネを払わせるのもみっともない年である。

 会計が終わったわたくしを見て、彼女は一言いった。

「じゃ、またね、わたし忙しいから」

 あっ、と一言声が出そうになったが、彼女はメトロの階段を素早い動作で駆け下りていった。別に追う気にもならなかったが、はたとして思ったわけである。

 パパ活、そういえばどこかのウェブサイトで見たことがある。

 彼女は平日から働きもせず、おっさんがたにメシをおごらせて、そればかりか小遣いまで調達して生きているわけである。

 ストリート・チルドレン、という言葉はかなり昔にできた言葉であるが、逞しく生きるボンビーガールとでもいうのであろうか。その野生に、わたくしは男という生物の弱さを垣間見るのみである。

 言葉を失いつつも、わたくしは上野駅に向かった。

 帰宅してから、自宅でネットを調べているとそういう女性が都会には棲息するようである、というのは理解した。

 おまけに自ら引っかかる阿呆とか、ママ活とかいう言葉も飛び出してくる。

 そういう若い女性たちが、好き放題に書いているブログを見て、またそこにリンクされたSNSの内容を見たりしてまず呆れる。そして、相場は万札以上ということになってるらしく、出さないおっさんに対する嫌がらせ手法も書かれており、自分は幸運であったと思わざるを得ずも、しかしながら、自分にもこの世にも呆れかえるわけだ。

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