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カップやきそば漱石こころ編

ここでは、「カップやきそば漱石こころ編」 に関する記事を紹介しています。
漱石は好きなのです。作風が広いので、しぼりました。

STAGE I
奥さんは、相変わらず縫物をしながら食事の支度をしている。娘さんは手伝っているようだ。娘さんのはっとした白い顔の下にはカップ焼きそばがあった。お腹が空いたのだが、恥ずかしいのだろう。Kは見て見ぬふりをしている。愚かなKをあざむいて、娘さんに、「美味しそうですね」と声をかけた。娘さんは「ええ」と一言言って顔を赤らめた。

STAGE II
一体全体、女性というものは何を考えているのだろう。カップ焼きそばを「お試しになりますか」と箸をくれる。一口だけ食い、まあまあだと答えた。それはとてもおいしかった。だが、言葉が出なかった。Kはじろりとこちらを見ている。

STAGE III
それからしばらくたった。娘さんのことを私はますます好きになっていた。二人であいびきしてカップ焼きそばを食べる仲にまでなった。「おいしゅうございましょう?」「ええ。あなたのものは特別です」。実際、違いはないかもしれないが、こころにはそう感じた。

STAGE IV
Kが自殺した。奥さんは黙って処理をしている。軍人の妻である。「あなた、お腹がすいたでしょう。娘に焼きそば作らせます」と淡々といった。

STAGE V
先生の手紙
「きみ、恋は罪なんですよ。君にはわからないかもしれないが。」先生はいった。「一鉢のカップ焼きそばがどれほど人生を狂わせるか、君にはわかってやしないのです」
先生の言葉は戦慄を帯びていた。やがて先生から長い手紙が届いた。先生はみずからお命を絶たれた。カップ焼きそば一鉢のせいで。

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